第4回合宿型討論会~「強い人材」への道しるべを描こう!~を開催しました

これまで、「強い人材」を、地域のステークホルダーや学生、教職員それぞれの立場で考え、より具体的にイメージすることを目標に行ってきた「合宿型討論会」。第4回となる今年度は、改めて「強い人材」の明確化を図るのと同時に、「強い人材」となるために学びのプロセスを描くことを目的に実施しました。

まず、漠然としている「強い人材」のイメージをより具体的にするために、地域で活躍されている方から話題提供をいただきました。

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会津若松市国際交流協会の小林事務局長からは、国際交流や多文化共生という切り口から、違いや変化を受け入れることや、グローバルな視点を持ちつつ自分の置かれている環境で行動を起こす重要性などをお話いただきました。「大学生の特権は失敗すること。失敗することで人の痛みや相手の立場を理解できるようになる」といった、学生に向けたメッセージもたくさん盛り込まれていました。

福島大学の卒業生で、過去の合宿型討論会にも参加している荒川桃子さんからは、学生時代を振り返りながら、社会に出てから実感したことや目指していることなどをお話いただき、先輩からの心強いアドバイスに学生も熱心に耳を傾けていました。同じく福島大学卒業生で、現在は職員として福島大学に勤務している岩下悟士さんからは、「自分にとっての強さは人それぞれ。私も皆さんと一緒にじっくり考えてみたい」と、後のグループワークへの意欲を語ってくださいました。

「討論会」というタイトルのとおり、このプログラムでは、参加者が立場を越えて話し合うことで、新たな発見やアイディアを見出すことがキーポイントになります。県内のさまざまな大学から集まった参加者が、目標に向かって協力するという作業そのものも、「強い人材」への一つのプロセスでもあるのです。

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グループワークのテーマは、「強い人材」プログラムの学びを評価すること。「評価」というと、つい教員が学生に対して行うイメージがありますが、ここでは、学生も一緒になって評価を行いました。大学間連携事業のプログラムに参加した学生が「気づき」や「学び」を記述する「ワークシート」から、その学びの深さを0~2のレベルに分けていきます。そして、レベルごとの特徴を整理することで、「強い人材」までの学びの基準を作り上げていきます。

これは、「ルーブリック」という評価指標として知られる手法で、学修目標の観点ごとに学修深度を設定し、体験に基づく学びや芸術などの抽象的な学修をわかりやすく提示し、成果の評価だけではなく、学びの方向付けにも使われます。そのルーブリックを参考に、「強い人材」までの学びの工程を考えることで、学生は自分の経験や学びを見直すきっかけに、教職員は学修成果を客観的に測るツールとして、それぞれに意義を感じていたようです。

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発表では、作り上げたルーブリックや評価した内容だけではなく、グループワークを通して感じた「強い人材」のイメージや、学んだことを客観的に表現する難しさ、環境や時代の変化によって変わる「強さ」の定義・・・などなど、たくさんの意見が出されました。「すぐには答えが出なくても、こうした議論を重ねることで、強い人材に近づいていくのではないか」と、意欲的な参加者も見られました。

今回、各グループで作り上げた簡易型ルーブリックは、「強い人材」版ルーブリックとして活用すべく、来年度以降、精緻化を図っていきます。

「強い人材」像というのは、限定的に定義づけするものではなく、集団の中で役割分担をしたり、おかれた環境に適応しながら変容を重ねる必要があるのではないでしょうか。そんなことを教えてくれた参加者の皆さんに、改めて感謝するとともに、2日間で得た「強い人材」への道しるべに沿って歩みを進めてくれることを期待しています。

【日 時】平成27年2月14日(土)13:00~15日(日)11:00
【会 場】磐梯熱海温泉 清稜山倶楽部
【参加者】学生20人、教職員16人
(会津大学、郡山女子大学、桜の聖母短期大学、日本大学工学部、福島大学)

 

カテゴリー: 「開かれた内部質保証システム」のモデル開発, 地域の期待を反映した学修成果の設定